Interview

●川面さんは1stミニアルバム『Rabbit Hole』(2007年6月)から始まり、People In The Boxに初期から関わっているわけですが、そもそも最初にメンバーと出会ったのはいつ頃だったんでしょうか?
川面:(メモを取り出しながら)調べてきたんですけど、最初に会ったのは2007年2月23日ですね。ベースはまだ健太(Ba.福井健太)に変わる前で今とは違うメンバーだったんですけど、その時に挨拶したのが最初です。波多野ちゃん(Vo.波多野裕文)は今でもそうでしょうけど、最初からそんなにグイグイくる感じではなくて、静観している感じでした。大吾(Dr. 山口大吾)は当時録音していたスタジオが狭かったのもあったんですけど、「(マイクを)ここに置かれるとやりにくいです」みたいな事を言ってきたりして、割とハッキリ言って来ましたね(笑)。
●当時は大吾くんのほうが要求してくるイメージがあった。
川面:本当に狭い中でやっていたので、マイキングの位置もギリギリでやっていたというのもあって。“ハッキリ言ってくるなぁ”とは思っていたんですけど、実際にドラムを叩いてみたら大吾はその当時からビックリするくらい上手かったんですよ。だから、すごくやりやすかったですね。最初から“しっかり叩くドラマーだな”という印象でした。
●そういう意味で、第一印象は良かったんですね。
川面:良かったですね。最初は、“パンチかましてきよるな!”とは思っていたんですけど(笑)、音を聴いた瞬間に“うわっ! すげぇ、この子。言ってくるだけのことはあるわ…”と思いました。
●波多野くんは最初、様子を見ている感じだった?
川面:まだ自分を出していなくて、よそ行きの感じはしましたね。でもまぁどのバンドのメンバーもみんな最初はそうなんですよ。しかも、Peopleも出会った頃は20代前半から中盤の時ですから、警戒も当然しますよね。直ぐに自分を出せるっていうのは、オッサンにならないと無理だと思うし(笑)。
●バンドとしての印象はどうでしたか?
川面:その頃から、他とは全然違いました。まず曲がすごくカッコ良いですよね。『Rabbit Hole』で言うと「Alice」や「She Hates December」、いまだにライブでやっている「鍵盤のない、」とかも入っている名曲揃いですから。あの頃からレベルは違いましたね。
●メンバーに対する印象は、そこから作品を重ねるごとに変わっていったんでしょうか?
川面:当たり前ですけど意識は高くなって来ましたね。『Frog Queen』(1stアルバム/2007年12月)の時には、「歌はこうしたい!」とか「演奏はこうしたい」とか、波多野ちゃんとも話し合いながらやっていました。歌入れの時は2人だけでやっている時もあって、その時は歌のディレクションとエンジニアリングを僕がやって、波多野ちゃんが歌い終わってからそのディレクションした歌をチェックするという感じでやっていたんです。1作目で出来なかった事を確認しながらやっていたので、2作目のマスタリングが終わった時に2人で「すごく良くなったね!」と言ってた記憶があります。
●お互いの意見を交わし合いながら録ったことで、納得のいくものになった。
川面:だから、僕も『Frog Queen』は好きなアルバムなんですよ。この時はかなりタイトなスケジュールだったんですけど、“短期間でよくできたな”という意味でも思い出深い作品ですね。
●大変だったからこそ、思い入れも深いんでしょうね。
川面:そうですね。その後、2008年の夏に『Bird Hotel』(2ndミニアルバム/2008年12月)のレコーディングがあったんですけど、これがまた大変なレコーディングになって…。8月4日にスタートして、終わったのが9月2日だったんですよね。
●丸1ヶ月ほどかかっている。
川面:あのレコーディングは色々あって、僕は家に帰るのがしんどくて何回か車中泊していました(笑) それくらいメンバーもレーベル側もこだわりが出始めた作品だと思います。
●レコーディングが大変だったと。
川面:特に健太は入ったばかりだったので、わけがわからなかったと思うんですよ。加入してすぐにレコーディングという感じだったし、他の2人は(通算)3作目ですけど、彼にとっては1作目ですからね。頭の中では“わけがわからない!”っていう感じだったんじゃないかな。
●普通のバンドに入るわけではないですからね。
川面:そうなんですよ。これがまた難しいところで…(笑)。
●初期の頃は、メンバーも今より尖っている部分があったんでしょうか?
川面:尖っているというよりは、“意識が高い”という印象ですね。ただ普段は社交的なので、“エキセントリックすぎて、付き合いにくいな”ということは全くなかったです。でも、レコーディングする時やライブの本番前とかスイッチが入った時は、未だに声をかけにくいというか、、、
●本番前にナーバスになるのは、アーティストなら誰でもあるでしょうからね。
川面:だからライブの時なんかは終演後は喋りますけど、本番前は集中して欲しいというのもあって話しかけないです。
●そうではない空気の時は、雑談やふざけたことを言い合ったりもする?
川面:それはありますね。でも基本メンバー3人とも真面目なので、脱線はするけど“やろう!”となった時に切り替えるのは速いです。僕はどこまでも脱線してしまうので、バッサリと切られることもあります(笑)。
川面 晴友
Recording Engineer
川面 晴友
Harutomo Kawazura
1976年生まれ 大阪府出身
これまでにPeople In The Box、9mm Parabellum Bullet、フジファブリック、ART-SCHOOL、ミドリ、cinema staff、 Base Ball Beer、THE BOY MEETS GIRLS、mol-74などの作品に携わる