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――お2人の付き合いは何年ぐらいですか?
山口「acid androidが「BUCK-TICK FEST 2012 ON PARADE」に出るタイミングでオファーを頂いたのが最初ですね」
――ということは……かれこれ5年ぐらい?
山口「そうですね。ちなみにこの対談が載るサイトに僕らの年表があって、そこにもそのことが書いてありますよ(笑)」
――初めて会ったのは?
yukihiro「スタジオです。僕が会いに行って、目の前で叩いてもらったんですけど」
山口「緊張しました(笑)。スタジオに僕のドラムセットがあって、そこに来てもらったんですよ。リハに入る前に一回顔合わせしましょうってことで……すごいガチガチでしたけど(笑)」
――yukihiroさんの目の前で叩いたんですか?
山口「そうです。しかもドラムセットと機材でいっぱいになっちゃうような狭いスタジオで、目の前にyukihiroさんが座ってて。あれが今までyukihiroさんと一緒にいて一番緊張した瞬間だった(笑)」
yukihiro「僕も緊張してるだろうなって思って見てました(笑)」
――プレイは大丈夫でした?
yukihiro「もともと会う前からお願いしようとは思ってたんで、ホントに顔合わせっていう感じで行ったんです。だから実際は僕の前で叩く必要はなかったんだけど、そういうシチュエーションでも臆せずやれるかどうかって大切じゃないですか(笑)」
山口「ははははは、大切ですね」
yukihiro「だから緊張もするだろうしミスもするかもしれないけど、それでも僕の目の前で叩いてくれたんで、そこが良かったです」
山口「正直言うと、あの時すごくビビってたんですよ。でも今の話を聞いて、頑張ってやって良かったなって(笑)。あと、その時少しだけ不安に思ったことがあって。僕、そのスタジオで〈violator:1.02〉ってacid androidの曲を叩いたんですけど、耳コピだったんでサビのリズムパターンが違ってたんです。だからその場でyukihiroさんにレクチャーしてもらったんですけど、そしたらyukihiroさんが『ドラムだけのデータ、渡してないの?』ってマネージャーさんにキツめに言ってて。その時〈yukihiroさんって……どんな人なんだろう?〉って思いました(笑)」
――そもそも大吾くんにドラムをお願いしようと思ったのは?
yukihiro「最初はスタッフからPeople In The Boxのことを教えてもらって、それで音を聴かせてもらったんですけど、実験的なことをいろいろとやってるのに、普通にリスニングできる楽曲に落とし込んでいるのが面白いと思いました。その頃僕はacid androidの音楽のスタイルを変えようと思って、サポートメンバーを入れ替えるつもりだったんです。それでいろんな人を紹介してもらったり音を聴いたりする中で、山口くんがいいなと」
――お声がかかった大吾くんはその時どう思いました?
山口「純粋に嬉しかったです。そもそもPeople以外に叩くことってそれまで殆どなかったんで。それも遊びとかじゃなくて、ちゃんとサポートドラマーという仕事としてオファーを頂いたことが初めてだったし。そのうえ〈え、あのyukihiroさんが!?〉みたいな(笑)。だから嬉しいけど〈なんで僕が?〉っていう」
――ちなみに大吾くんにとってL’Arc~en~Cielの存在は?
山口「中3くらいの時に友達の家で初めて聴いたんですけど、それが『HEART』で。で、その後3枚同時リリース(〈HONEY〉、〈花葬〉、〈浸食~lose control~〉)のCDが出たあたりで、L’Arc~en~Cielを聴いてドラムの音に興味を持ち始めたというか」
yukihiro「ちなみに何歳からドラム始めたの?」
山口「16歳からです。高校1年生の吹奏楽部から始めたんですよ」
――大吾くんがL’Arc~en~Cielを好きだったというのは初耳ですね。
yukihiro「僕も『聴いてました』とか『ドラムが好きでした』とか言われても、ウソだよね?って思ってます(笑)」
山口「ウソじゃないですよ!?(笑)。ラルクの曲を吹奏楽部でやってましたから」
yukihiro「本当に?」
山口「本当です!(笑)。僕の師匠みたいな人が吹奏楽部の先輩でいるんですけど、その先輩がL’Arc~en~Cielのコピーをしてたんですよ、その人もyukihiroさんのことが大好きで。だから僕もその先輩の影響でドラムを叩くようになって、L’Arc~en~Cielのコピーをしたんですけど」
――コピーした曲は?
山口「〈虹〉はもちろん他にもいろいろやりました。その中で一番衝撃的だったのが〈いばらの涙〉っていう曲。サビ前に6連符がタカタタカタタって入るんですけど、それを先輩がやってたのを見て、衝撃を受けたんですよ。どうやってやるんだ!?って。で、先輩のマネしてコピーしたんですけど、僕がacid androidをやり始めてから一回そのフレーズをyukihiroさんに叩いてもらったら、全然違ってて」
yukihiro「(笑)」
山口「つまり師匠が間違ってたっていう(笑)。やっぱりコピーのコピーはダメですね。で、その後高校出ると師匠がいたバンドに僕が代わりに入って福岡で活動するようになるんですけど、当時L’Arc~en~Cielをコピーした経験がだんだんアップデートされていくというか、オリジナルの曲を叩くようになってどんどん拡張していく感じはありました」
yukihiro「僕もそうだった。最初はやっぱりコピーから始まって。僕が高校の時にやってたバンドはギターが曲を書ける人だったんで、自分たちの曲もやってたけど」
――コピーしてた頃の自分と今の自分に繋がりはありますか?
yukihiro「あると思いますよ。僕は最初LOUDNESSのコピーをやってたんですけど、未だに当時のフレーズが出て来ることがありますから。例えば2拍3連フレーズはLOUDNESSのコピーで覚えたんで、未だに2拍3連のフレーズといえばLOUDNESSのフレーズが出て来ますね(笑)」
山口「最初がLOUDNESSって、すごく難しくなかったですか?」
yukihiro「すごく難しかった」
山口「僕みたいにコピーする時に教えてくれる先輩みたいな人はいたんですか?」
yukihiro「いなかった」
山口「じゃあ、全部耳コピで?」
yukihiro「耳コピ。ドラムセットは家にあったんで、聴いたらすぐやって、あれ?違うな?こうなんないな、って試しながらやってた」
――大吾くんにおけるLOUDNESS的なフレーズってあります?
山口「一番染みついてるのはクラシックの曲で演奏したスネアですね。僕、吹奏楽をやってたくせに譜面が読めなかったんですよ。今でこそちょっとは読めるようになりましたけど。だから10分近くあるクラシックのリズムを全部耳コピして」
――クラシックのドラムってどんな感じなんですか?
山口「基本的にはシンバルとバスドラとスネアドラム、その3つに分かれてるんですけど、その中でもスネアの音符はけっこう複雑になってて、それをずーっと耳コピしてました。確か〈マスク〉っていう曲なんですけど、僕もyukihiroさんと同じで今でもそのフレーズが出て来ちゃいますね」
――ではここからは2人が一緒にいる時のことを伺います。噂によると大吾くんから積極的にyukihiroさんに話しかけてるそうですが。
山口「でも緊張してますよ(笑)。どちらかというと僕のくだらない話にyukihiroさんが付き合ってくれるんで」
yukihiro「それがいいんですよ。なかなか楽しいですよ。場が沈まないし」
――じゃあ彼はacid androidのムードメーカー的存在というか。
yukihiro「そうですね。そもそも僕が普段あんまり話をしないから。ドラムの話もしないもんね」
山口「や、会ったら必ず1回はしてますよ!(笑)」
――緊張はするけど(笑)。
山口「そうですね(笑)。例えばリハでyukihiroさんがスタジオ入る前にウォーミングアップ的にやってると簡単に出来ることが、yukihiroさんが入ると緊張でビートがめっちゃ硬くなってますから(笑)」
yukihiro「そうなの?」
山口「特に最初のリハは硬いですよ。今度、確認してみてください」
――5年ぐらいやってきて、大吾くんのドラムに変化を感じるところは?
yukihiro「もちろん変化はありますよ。最初はとにかく曲を覚えてリズムパターンを叩くことでいっぱいいっぱいだったと思うんですよ。ライヴもそんなにたくさんやってたわけじゃないし、曲に馴染むのも時間がかかるだろうし。でも何回かライヴをやった後、僕から『もっと自分のスタイルに寄せていいから』みたいな提案をしたんですよ。『自分なりに曲を解釈して、自分らしいパターンにしちゃっていいから』って。そうしたらライヴをやるごとに色々と工夫をしてくれるようになって。『今のところは良かったから、そこをもうちょっとつめて形にしよう』とか、そういうミュージシャン同士のやり取りが出来るようになったんで良かったと思います」
山口「ありがとうございます!」
yukihiro
L'Arc-en-Ciel
yukihiro
バンド結成25周年を迎えたL'Arc-en-Cielのドラマー。 1998年にL'Arc-en-Cielに正式加入。異彩を放つ音楽性でありながら、リスナーの感情に深く入り込むその楽曲が、圧倒的な存在感を放っている。 2001年からはソロプロジェクトとしてacid androidの活動をスタート、2012年からはMO'SOME TONEBENDERのkazuhiro momo、凛として時雨の345と共にgeek sleep sheepを結成し、 その多彩な音楽性を発信し続けている。 アナログシンセなど多数のハードウェア機材に囲まれたプライベート・スタジオも所有し、宅録にも造詣が深い。 L'Arc-en-Cielは4月8,9日に東京ドームにて「25th L’Anniversary LIVE」が決定している。

L'Arc-en-Ciel www.larc-en-ciel.com/
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